樸堂コトノハ

− 等身大の佛教 −

大根おろし・体の目が覚める

昨年の暮れ、ある方から久し振りにお手紙を頂きました。そして、そのお手紙の最後に「あなたは健康維持のために何かしていますか」と問われて、はてどうだろうと、ふと立ち止まって考えました。

世の中には、体にいいと言われる何かを現在の食生活に付け加える「足し算の健康法」があふれるほどありまして、私も昔、黒酢がいいからというので薄めて飲んだり何度も試したことがありますが、余りうまく行かなかった思い出があります。

そんなことで最近は、体に良くないと思われるものはたとえ美味しくても食べないという、「引き算の健康法」が主流になっていました。

さて、手紙を頂いてから数日後、ある檀家さんのお経で、帰り際に大根のお供えを頂戴しました。

昨年は天候不順で、なかなか青物や大根が出来なかったそうですが、ここ数日の間に育ったという立派な大根を4本頂戴したのです。

普段は、頂き物は大体、智源寺(師匠のお寺)に持って行って修行僧たちと頂くことが多いのですが、何だかせっかくの大根を右から左によそへ持って行ってしまうのがこの時ばかりは少々ためらわれ、1本だけ妙性寺に残すことにしました。

見事な葉の部分はきざんで塩もみにし、身の方は新聞にくるんで、正月のお餅を辛味餅にして頂く際の大根おろしとして使わせて頂くことにしました。

妙性寺では独り暮らしですから、正月三が日、大きな大根を毎日せっせと大根おろしにして、どんぶりに軽く一杯ほど食べ続けました。

そして正月が過ぎてからも折を見つけては大根おろしを食べ続け、ついに長さ50センチほどあった大根をすべておろして食べ尽くしました。

すると今まで余りうまく行かなかった「足し算の健康法」が功を奏したようで、何やら体の目が覚めたように、何をするにも意識がはっきりしているし、体の動きもよくなったように思われるのです。

人の体は万人みな違うものだと思いますので、すべての人に効果があるとは言えないかもしれませんが、「大根おろしに医者いらず」とも言われているそうです。

ちなみに、インターネットで調べたところ、大根おろしは

  • 皮ごとすりおろす
  • すりおろしてから15分以内に食べる

ことがポイントのようです。

私は、辛味を緩和するためにカツオ節少々をかけてから醤油で味付けしたものを、その日の食事の具合や体のコンディションと相談しながら、適当な分量を好きな時間に頂いています。

どうぞ興味を持たれた方はお試し下さい。体が一段と目を覚ますかもしれません。

大根おろし・体の目が覚める